人形型について
人形型には土型と石膏型の2種類があります。
土型
創業期から伝わる型を含めて、ますやには現在200近くの土型があります。この土型は、従来からの手押し製法で使用します。
土型は水分を吸いすぎると吸わなくなるので、使用後は乾燥させる必要があります。一度にたくさん作ることはできません。しかし摩耗することなく大切に使うとずっと使えます。


石膏型
昭和になると、石膏型が台頭してきます。主に鋳込み製法に用いていましたが、現在ますやでは石膏型に手押しで製作しているものもあります。
石膏は水分の吸収が早く、大量生産ができますが、すぐに摩耗します。
人形の製法について
佐土原人形には二通りの製作方法(手押しと鋳込み)があります。
手押し
伝統的な製法で、薄く伸ばした粘土を指で人形型に押し付けて形を作る方法です。前後二枚に分かれた二枚型を用います。粘土を型に入れた後に少し置くと、乾燥して型と粘土の間に隙間ができます。型から外して前後を合わせ、はみ出たバリと呼ばれる部分を丁寧に処理していきます。 佐土原人形では古くから用いられてきた技法の一つです。

鋳込み
粘土に水と珪酸ソーダを加えて攪拌し液状にします。石膏の二枚型をゴムバンドなどで液が漏れないようにきっちり合わせます。そこに粘土液を流し込みます。少し置くと外側から固まってくるので中の液状粘土を捨てますと、厚みが均一に薄く仕上がります。 同じ型の人形を比較的短時間で制作できることから、昭和中期以降、広く用いられるようになりました。

人形型は、表と裏の二枚一組が基本ですが、人形の種類によっては、片面のみの型を用いる場合もあります。
一部の人形では、差し手・差し首といった構造を用いるため、手や頭の専用の型も使用します。
こうした差し手・差し首の技法は、歌舞伎人形や古い時代の雛人形などにも用いられてきた伝統的な表現方法で、佐土原人形の造形的な特徴の一つとなっています。

